SIGについて
シグ(SIG)とは、スイスの企業シグホールディングとその傘下企業グループの総称だが、設立当初の社名はSchweizerische Industrie-Gesellschaftで、その略としてSIGという呼称が使われていたが、2001年に現在の「SIG」が正式な社名として採用された。その後、2007年にはニュージーランドの投資家が率いるランクグループに買収された。
SIGシリーズはシグ社の銃器部門の製品で、独自ブランドの「SIG」とザウエル&ゾーンと共同開発した「SIG SAUER」がある。
SIGの歴史
1853年に鉄道の客車製造業として創業。その後、機械製造や武器製造も手がけ業務拡大していくが、包装機械事業へ注力するため関連外の事業の大半を2000年頃に売却。銃器部門も売却対象となり、ブランドとしてのSIGシリーズは買収者が新たに設立したスイスアームズ・ノイハウゼンによって引き継がれることになった。SIG傘下にあったザウエル&ゾーン、ブレーザーも同様に買収者に引き継がれ、シグ社そのものは武器製造事業から完全に撤退する。
現在存在する銃器メーカーとしてのSIG社はスイスアームズ社によって事業・権利等が引き継がれている。
●銃器に関するSIGの歴史
1860年
銃器製造を開始。ヘンメリ、ザウエル&ゾーン、ブレーザーの各社を買収。
1985年
アメリカ合衆国に現地法人「SIGARMS」(現SIG Sauer)を設立。
2000年
銃器製造に関する事業を買収者が新たに設立したスイスアームズに売却。現在は完全に事業から撤退。
スイスアームズは「SIG」「SIGARMS」の権利も引継ぎ、銃器製造や銃器関連の事業を継続。
2007年
アメリカ現地法人「SIGARMS」を「SIG SAUER」に改称。
SIGの主な製品
●拳銃
・GSR SIG SAUERによるガバメントモデル。工場生産でありながら最終工程は職人による仕上げでクオリティが高い。
・P210 1949年からスイス軍や警察で使用された軍用拳銃。
・P220 傘下のザウエル&ゾーン社との共同開発で誕生したP226の原型とも言えるオートマチックピストル。
・P226 ザウエル&ゾーン社が開発したP220の後継機種。耐久性が高くSEALsなどにも採用されたことで有名。
・P230 1977年に警察用拳銃として開発された。
・P238 2009年に発表されたコルト380ガバメント(マスタング)を再設計したコンシールド(秘匿携行)モデル。
・P320 2014年に発表され、後にアメリカ陸軍にフルサイズのM17、コンパクトのM18として制式採用された。
・SIGモスキート P226の90%サイズで練習用として趣を置いたモデル。P226の特徴を忠実に引き継いでいる。
・P556 アサルトライフルであるSG556のピストル版
●短機関銃
・M1920 第1次世界大戦末期にベルグマン社によって開発されたサブマシンガンMP18を改良、ライセンス生産した。
・SIG MKMS 1934年に開発され、フィンランド軍などで運用されたサブマシンガン。沿岸警備などに使われた。
●小銃
・SK46
・モンドラゴンM1908(M1917) メキシコで設計された半自動小銃をSIGが開発、量産化した。
・SG550 スイス軍向けに開発され、大量生産モデルとしては命中精度が高いと言われるアサルトライフル。
・SG551 SG550のカービンバージョン。
・SG552 SG551をさらに短くした特殊部隊向けアサルトライフル。
・SG553-2 SG552の銃身延長バージョン
・SG556 民間・法執行機関向けのモデル。アメリカ市場の安価なAR15クローンに対抗するために開発された。
・SG522LR SG556の.22LR弾仕様
・SIG SG750 SAPR SG550の7.62mmNATO弾仕様。ブリュッガー&トーメ社(B&T)との合作。
・SIG516 M4のクローンモデル。元H&K社のスタッフが開発に関わった。
・R93 ボルトアクション方式の狩猟や競技を目的とした狙撃銃。
・SIG50 50口対物径狙撃銃
・SAN511 50口対物径狙撃銃
●グレネードランチャー
・GL5040 – SG550用のアンダー・バレル・グレネードランチャー
・GL5140 – SG551用のアンダー・バレル・グレネードランチャー
・GL5340 – SG553-2用のアンダー・バレル・グレネードランチャー
●機関銃
・MG710 7.62mm弾を使用する汎用機銃として開発されたが、スイス軍では既に他機種を採用しており、主に輸出用として製造された。
・KE7 1929年に開発されたが、MG710と同じくスイス軍では採用されず海外輸出用として生産された。